ここのページは本当に趣味の突っ込みと、トークがメインです。
攻略やアイテム関係について知りたい場合はあんまり参考にならないと思われます。

■ストーリー(概略)      ■感想   

テイルズ オブ ファンタジア(TALES OF PHANTASIA)
(c)ナムコ 1995年12月25日SFC版発売/1998年12月28日PS版発売

キャラクターデザインが「ああっ女神様!」の藤島康介氏で、主役のクレスに草尾毅、モリスンに井上和彦 、ダオスが塩沢兼人と声優陣もかなり豪華なキャスティング。OPにフルボイスで歌が流れたのはSFC初の試み。
発売1週間前にドラクエ6が出たため、クリスマス商戦狙いにもかかわらず、大変陰が薄かった悲運のゲームである。しかし、存在は地味ながらも評価は高く、ディスティニーが出るまでずっとPSに移植してほしいゲームランキングの20位以内に入り続けていたという。


----- Story-----

アセリア暦×××年 世界樹ユグドラシルが魔術の源となる”マナ”を生み出していた時代。 その大いなる力を利用し、世界を支配せんとする魔術師がいた。 気高い精神と冷酷非常な性格を合わせ持つ、その男の名はダオス。 しかし、ある冒険者たちと不思議な2つのペンダントの力により、 ダオスは自らの野望とともに永遠に封じ込められた。世界は平穏を取り戻したかに見えた…

大陸の南に位置する平和な農村トーティス。 しかし、村は突然謎の一味に襲われ、全滅する。生き残ったのはたった二人の少年だけだった。 一味の正体は?陰謀の影に見え隠れする真の敵とは?そして世界樹の秘密とは? 不思議な運命の糸に操られ、やがて少年は時間をも超越する冒険へと巻き込まれていく…

(SFC版 TALES OF PHANTASIA 説明書より)


はっきりいって、これは当時予想していた以上の当たりゲームでした。貸して布教するよりは、買わせたい程のゲーム。ゲーム雑誌で見てて、キャラが可愛いいし(当時はチェスター狙い)、ストーリーもまあよさげだったので予約を入れてたんですが、発売の頃にはまだロマサガ3をプレイ中でそれどころではありませんでした。(カタリナでやってたんですがめちゃめちゃつまってて…)でも予約もしてたし、一応発売当日に買ってきて。で、ロマサガも行き詰まってるし、息抜きのつもりで始めました。
 ところが、これをプレイしてからというもの、わたしはロマサガの存在を忘れました(笑)未クリアのRPGを投げ出したのはこれが初めてのことでしたね。(しかも愛しのロマサガ!1、2は無茶苦茶はまりましたね!大好き!)

「この世に悪があるとすればそれは人の心だ」
 まず最初に、地の底から響くようなモリスンの声にびびりました。低すぎて何言ってるのか一瞬わからなかったくらいです。で、暗い音楽から一転してリズミカルな音楽に変わったかと思うと、歌が!歌が流れてきて!…信じられなかったです。(当時にしてみたらSFCで歌っていうのは本当に意外なことだったんですよ!)今でもPS版の美しいOPよりSFC版の荒いOPの方が好きなんですが、音楽はこちらのほうが良いと思うんですよ。ゲーム中の絵が出てるのもプレイヤーには楽しいことですし。(今だにSFC版の「夢は終わらない」を聞くと曲の途中で「虎牙破斬!」とか「ファーストエイド!」とか言います。だって当然ですがCDには台詞まで入ってないんですよ!もちろん、PS版のアニメーションは最高だと思うんですが、体がSFC版のリズムに慣れきってるので違和感あるんですよね…(PS版の方がスローテンポ)

そしてそのまま、オープニングイベントに引き込まれ、どんどんとのめりこんでいくわけですが、ところどころにある気の効いたジョーク(お店の名前、アイテムの解説)、人々ののどかな日常(猫だらけの家、ノックすると牛の鳴くドア、変な日記)、軽快な戦闘!私はこれけっこう好きですね。(特にSFC版のブレーキとダッシュ音。これ必需品でしょう)そして趣向をこらしたミニゲーム、本編が終わっても十分楽しめるサブクエスト!(どちらもかなりはまりました…本筋以上にやりこみましたね)究めつけに美しいドット絵の街並み。私はアルヴァニスタの街に入って感動しましたね!水鏡の森ユミルにも見られるように、非常に木もれ陽や水の描き方が綺麗で!ベネツィアの運河に空が映ってるのとか、ユミルの水面の波紋、アーリィの雪、どれもが本当に綺麗でした。
 その中で生きてる人達はどこかのんきで、優しくて。私はこの世界が大好きになりました。キャラクターが生き生きしてるのは当然ですが、街ゆく人々までもが生き生きして楽しませてくれるし、敵もどこか憎めない愛敬や可愛らしさ、個性があるし。何よりストーリーが秀逸でした。単純といえば単純なストーリーですが、キャラクターの魅力が何百倍にも引き立てくれました。

 主人公のクレスはRPGの王道、赤ハチマキに赤マントの主人公(剣士)ですが、彼のどこが気に入ったかというと「普通のひと」のところでした。高貴な血を引くわけでもなく、特殊な力を持つわけでなく、勇者でも、冒険者ですらないごくごく普通の少年。あんなことがなければ一生を平凡で平和に暮らしたであろうクレスの旅立ちの理由は復讐のため。

 平和な日常、大切な家族、友人の妹までも全て奪われて友人のチェスターと二人、仇を取ることを誓うわけですが、泣かせるポイントはチェスターが妹を弔うまで村を離れないと言うシーンでしょう。そして、自分の側にいると余計に狙われるかもしれないと悟ったクレスは足早にそこを去るわけですが、孤独です。すごく。彼はこの瞬間世界中でたった一人になったから。おまけに、信じていた人に裏切られるわ、親のかたみは取られるわ、牢屋にたたきこまれるわ。
 まあ、そのおかげでミントと出会うわけですが、この出会いのシーンも泣かせますね。
ミントの母親の想い。クレスの思いやり。ファンタジアのいいところは各キャラクターの
想いがちゃんと描かれているところだと想います。チェスターとの再会、ダオスとの戦い、そして力及ばず敵の前に倒れたとき、命をかけて友人がかばい、モリスンが未完成の時間転移呪文を放ったときに、全ての可能性をかけて時間を越えた冒険が始まった。
 それは最初から犠牲の多い旅立ちでした。友人は自分をかばいもとの時間に残され生死もわからない。(恐らく無事ではいない)行くあてもない。頼れる人もいない。でも。可能性を信じて、一歩を踏み出した。親友の壊れた弓をお守りのように持つのがささえですね。現実はすごくつらいけど、それを変えるために、その悲劇をこれ以上広げないためにできるとこから少しずつ、
しかし、どこかのんきに歩み始める彼等が大好きです。

そんな旅のうち、ダオスを倒すために必要な魔術を求めて、召喚士クラース(あの時点ではただの屁理屈頑固学者)に会い、友人の無念を晴らすために死霊となった友人に体を貸していたハーフエルフのアーチェに出会い、色々な人に出会い、色々な人の力を借りて、正しいことも、間違っていることも、悲しいことも少しずつ体で受け止めながら成長して。そしてついにはダオスを倒すまでに至るも、時を越えて逃げられて。ついに現代に戻り、再戦するわけですが…

それすらも新たな旅へのターニングポイントでしかなかった。

やっと再会できたチェスターのレベルが別れたときのまま、というのはまあショックなことですが(笑)息つく暇もなく未来へと旅立つ一行。全ての原点は現在にあり、過去においては水面に石が投げられたようなもの。そして未来ではその波紋が広がっているという感じの旅ですが、彼等はこんなにも暗い背景があるというのに、本当にのんきで、明るくて、優しいひと達なので救われます。